ワシントン条約へのサメ&エイの掲載を自然保護活動家が歓迎
締約国会議では13種の生物について議論。NGOは、懸念は残りつつもこれからの進展を見守る姿勢
ヨハネスブルグ 2016年10月4日
自然保護活動家は、イトマキエイ、オナガザメとクロトガリザメが、正式にワシントン条約(CITES)*の附属書IIに掲載されたことを歓迎している。10月3日、リストへの掲載提案は、可決の条件として必要とされる3分の2以上の支持を獲得し、同月4日に確定に至った。
WWFのAndy Cornish氏は「これはサメとエイ類にとって、大いなる勝利と言えるでしょう。なぜならこれから各国政府は、取引が持続可能かつ合法的な漁業のもとに行なわれていることを保障しなければならないからです」と発言した。
世界中の国々が、9種のイトマキエイ、1種のオナガザメと1種のクロトガリザメをワシントン条約の附属書IIに掲載することを提案した。これは国際取引規制で、各国に持続可能と合法的な水産物輸出を義務付けることを意味する。
国際サメ擁護団体のSonja Fordham氏は「海中で最も弱い生き物の一つである、イトマキエイの保護の支持を得ることができてとても嬉しいです」と話している。イトマキエイは2、3年に1尾しか子供ができないため、過度の漁獲は致命的なのだ。
また、シャーク・トラストのAli Hood氏は、「取引の規制が決定したことはとても喜ばしいですが、補足的な漁獲制限と処置で、偶発的な捕獲を減らすことこそが、クロトガリザメの効果的な保護につながると思います」と述べている。
また、Project AWAREのAnia Budziak氏は「各国政府が、オナガザメの生息数が漁業と観光事業にとって、いかに重要であるかを認識していることを知ってとても嬉しく思います」と話している。
ワシントン条約加盟国は、6カ月間以内にイトマキエイ、1年以内にオナガザメとクロトガリザメに関する新しい国際取引義務を実行することになる。
野生生物保護協会のAmie Brautigam氏は「各国政府はこれらの重要な国際取引の規制を優先すべきだ」と促している。
会議の序盤で、各国はワシントン条約実行の鍵となるサメとエイ製品のトレーサビリティ(追跡可能性)の向上を目標とすることに合意した。また、ワシントン条約によりデータの強化、管理の改善、持続可能な国際取引を保障することによって、サメとエイの保護を実現するという共同認識を深めた。
Project AWARE、国際サメ擁護団体、シャーク・トラスト、TRAFFIC、野生生物保護協会及びWWFは、Paul G. Allen家族財団のサポートのもと、協力してエイとサメのリスト掲載の提案を推進することに力を入れている。
*ワシントン条約(CITES):絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約
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生物のファクトシートはこちらから:http://www.projectaware.org/publication/cites-cop17-fact-sheets